FXにはいくつかの注文方法が存在しますが、海外FXブローカーが多く採用している処理方法がNDD方式という方法です。
この記事では、海外FXのNDD方式入門として、基礎知識やECN・STP口座の違いやNDD方式を採用する海外FX業者一覧を紹介します。
目次
海外FXのNDD方式とは
海外FXのNDD（No Dealing Desk）方式とは、取引業者が顧客の注文を市場につなげる取引方式です。
これにより取引の透明性が向上し、利益相反のリスクが低減されます。
なお、NDD方式は主にECN（Electronic Communication Network）方式とSTP（Straight Through Processing）方式の2種類があります。
これに対して日本国内の業者で多く採用されているDD（Dealing Desk）方式は、取引業者が顧客の注文を内部で処理する方法です。
市場に直接アクセスせずに取引が行われる方式なので、取引業者と顧客との間で利益相反が発生する可能性があり透明性が低くなります。
そのため、DD方式はリクオートやストップ狩りなど、トレーダーにとって不利な処理が発生することがあります。
海外FXのNDD方式には2種類ある
ECN方式
ECN方式（Electronic Communication Network）とは、FX取引において取引業者が顧客の注文を電子的な取引ネットワーク（ECN）に送信して直接取引を行う方式です。
市場の流動性プロバイダー（銀行、ヘッジファンド、投資家など）と売買注文が成立します。
これにより取引業者が顧客との間でポジションを持たず、市場価格に基づいたリアルタイムで大量な取引が可能となります。
ECN方式の主な特徴は、取引の透明性が高くスプレッドが競争力があるほか、リクオートも発生しにくく、安定した取引を実現できるメリットがあります。
STP方式
STP方式（Straight Through Processing）とは、FX取引において取引業者が顧客の注文を自動的に複数の流動性プロバイダー（銀行、ヘッジファンド、投資家など）にルーティングし、最適な価格で取引が成立する方式です。
STP方式では、カバー先のレートにスプレッドを乗せた価格をトレーダーに提示する流れになります。
ECNと同様のNDD方式ではありますが、一度ブローカーを経由して市場へ注文処理がされるので、より透明性の高いのはECN方式と言えます。
海外FXのNDD方式におけるメリット
透明性が向上する
海外FXのNDD方式において、透明性が向上するというメリットがあります。
NDD方式では取引業者は顧客の注文を直接市場につなげるため、取引業者が顧客の注文に対してポジションを持たず、市場価格に基づいた取引が可能となります。
この透明性の向上は、取引業者と顧客の利益相反が発生しにくくなることにも繋がります。
顧客の注文が市場に直接つながることで、取引業者が顧客の注文を操作することが難しくなり、市場の公正性が保たれる可能性が高まります。
リクオートが低減する
海外FXのNDD方式において、リクオートが低減するというメリットがあります。
リクオートとは、注文が成立する寸前に取引業者から提示される新たな価格での取引を求められる現象で、主にDD（Dealing Desk）方式で発生することが一般的です。
NDD方式は顧客の注文を直接市場につなげるので、取引業者が顧客の注文に介入する余地が少なくなります。
その結果、取引業者がリクオートを行うことが難しくなり、顧客はスムーズな取引ができるようになるというわけです。
リクオートが低減することで、トレーダーは希望する価格で取引ができる可能性が高まり、取引のタイミングを見逃すリスクが低減されます。
低いスリッページ
海外FXのNDD方式において、低いスリッページというメリットがあります。
スリッページとは、注文した価格と実際に取引が成立する価格の差で、価格の急激な変動が発生した際や流動性が低いタイミングなどで起こりやすくなります。
取引業者が顧客の注文を直接市場につなげるNDD方式では、注文執行の速度が向上します。
これにより市場価格が急変する状況でも、注文価格に近い価格で取引が成立する可能性が高まり、スリッページが低減されることが期待できます。
迅速な注文執行
海外FXのNDD方式は、迅速な注文執行というメリットがあります。
NDD方式は取引業者が顧客の注文を直接市場につなげることで、注文が素早く処理され、市場価格に基づいた取引が可能となります。
迅速な注文執行は短期間で多くの取引を行うスキャルピングや、短期的な価格変動を利用するデイトレードなどの取引スタイルにとって大きなメリットです。
注文が素早く市場に伝わることで、トレーダーが狙ったタイミングでの取引が可能になり、市場の変動に素早く対応できます。
スキャルピングが可能
海外FXのNDD方式では、スキャルピングが可能というメリットがあります。
スキャルピングとは、短期間で繰り返し取引を行い、わずかな価格変動を利用して利益を積み上げる取引手法です。
このスキャルピングでは、迅速な注文執行や細かな価格変動に対応できる環境が求められます。
注文を直接市場につなげるNDD方式では、この注文執行の速度が向上する特徴があります。
また、リクオートやスリッページが低減されることから、予定通りの価格で取引が成立しやすくなります。
このようなトレード環境は、スキャルピングを行うトレーダーにとって非常に有益と言えるでしょう。
自動売買（EA）が利用できる
海外FXのNDD方式において、自動売買（EA：Expert Advisor）が利用できるというメリットがあります。
一方、DD方式では、取引業者が顧客の注文に対して介入するため、スキャルピングや自動売買が制限されることが一般的です。
DD方式の業者は、顧客の取引に対してリスクを管理し、独自のポジションを持つことがあります。
そのため、顧客の取引が業者の利益に悪影響を与える可能性があるスキャルピングや自動売買を制限することが多いというわけです。
一方、NDD方式では、取引業者が顧客の注文を直接市場につなげるため、業者と顧客の利益相反が発生しにくくなります。
スキャルピングや自動売買の制限がない業者が多いので、自動売買を行いたいトレーダーにとって大きなメリットがあります。
海外FXのNDD方式におけるデメリット
スプレッドが広い
海外FXのNDD方式におけるデメリットの一つは、スプレッドが広くなることがあるという点です。
スプレッドとは、通貨ペアの売値と買値の差を指し、トレーダーが取引を行う際に支払うコスト（手数料）の一部です。
NDD方式では、取引業者が顧客の注文を直接市場につなげます。
そのため、市場の流動性によってスプレッドが変動し、特に取引量が少ない通貨ペアや取引時間帯においてスプレッドが広がることがあります。
これに対して、DD方式の業者は独自のポジションを持って市場に介入するので、スプレッドを一定に保ち低い手数料を実現しているわけです。
広いスプレッドは取引コストが高くなることを意味しているので、トレーダーの利益に悪影響を与える可能性があります。
特に短期取引やスキャルピングを行うトレーダーにとっては、取引回数が多い分、スプレッドの影響が大きくなるので注意しましょう。
NDD方式を提供している海外FX業者一覧
XM(エックスエム)
XM（エックスエム）は、海外FX業者の中で信頼性が高く、多くのトレーダーに利用されている業者です。
NDD方式を採用し、顧客の注文を直接市場につなげることで、迅速かつ透明性の高い取引環境を提供しています。
XMの特徴の一つは、豊富なボーナス制度です。
口座開設時には、13,000円相当のボーナスが付与されるので、新規トレーダーがリスクを抑えつつ取引を始めることができます。
また、最大$500までの100％入金ボーナスが用意されており、入金額に応じてボーナスが付与されるため、より多くの取引資金を得ることができます。
TitanFX(タイタンエフエックス)
TitanFX（タイタンエフエックス）は、NDD方式を採用した海外FX業者で、迅速かつ透明性の高い取引環境を提供しています。
TitanFXの特徴は、高い約定力に加えて少額から始められるマイクロ口座などが挙げられます。
TitanFXは注文が迅速に処理されるため、トレーダーが狙った価格で取引ができトレードの効率が向上します。
また、TitanFXでは少額から取引を開始できるマイクロ口座を提供しています。
このマイクロ口座は少額から始められるので、初心者や少額でトレードを始めたいトレーダーにとって魅力的といえます。
FXGT(エフエックスジーティー)
FXGT（エフエックスジーティー）はNDD方式を採用しており、豊富なボーナス制度が充実している海外FX業者です。
まず、FXGTでは口座開設時に15,000円相当のボーナスが付与されるため、新規トレーダーがリスクを抑えつつ取引を始めることができます。
また、最大10万円までの100％入金ボーナスが用意されており、入金額に応じてボーナスが付与されます。
HFM（エイチエフマーケット）
HFM（エイチエフマーケット）は、NDD方式を採用した海外FX業者です。
HFMでは、口座開設時に6,500円相当のボーナスが付与されます。これにより、新規トレーダーはリスクを抑えつつ取引を始めることができます。
さらに最大8万円までの100％入金ボーナスが用意されており、入金額に応じてボーナスが付与されるので取引資金を増やすことが可能です。
また、取扱い銘柄は1200種類以上も用意されているので、トレーダーは任意銘柄でトレードすることができます。
AXIORY（アキシオリー）
AXIORY（アキシオリー）は、NDD方式を採用した海外FX業者で迅速かつ透明性の高い業者です。
アキシオリーの約定力は業界でも高く評価されており、約定スピードも速いため、トレーダーは安心して取引を行うことができます。
このような高い約定力とスピードは、短期取引やスキャルピングなどのトレーダーにとって非常に重要な要素です。
また、アキシオリーでは高機能トレードツールであるcTrader（cトレーダー）が利用可能です。
cTraderは、直感的な操作性と豊富な機能が魅力で、プロフェッショナルなトレーダーからも支持を受けている取引プラットフォームです。
海外FXのNDD方式入門：ECN・STP口座の違いと業者一覧